自費出版ってな〜に? 
自費出版ってな〜に? *
 
 自費出版の世界も様変わり。北九州市の「北九州市自分史文学賞」は13回目の、日本自分史学会の「私の物語・日本自分史大賞」は6回目の作品応募を始めています。まさに全国各地で自分史大賞が花盛りです。

  一方、自分史を始めとした自費出版物を制作する側の動きも活発です。自費出版ネットワークは、日本自費出版文化賞の1回から5回までの応募作品を網羅した「自費出版年間2002」を発行しました。小社もメンバーの一人である自費出版編集者フォーラムは、自費出版をめぐるさまざまなテーマを取り上げて議論してきましたが、その機関紙「自費出版ジャーナル」はまもなく50号を数えます。かつて自費出版が、文学を目指すごく一部の人たちの占有物だった時代とは明らかに異なった様相を見せています。

  今まで歴史の舞台に現れなかった庶民の歴史が見なおされて久しい。戦後57年、大量生産・大量消費の物質万能の時代はすでに終焉し、「ゆとり」や「うるおい」、「やすらぎ」を感じる社会をつくろうとする「こころの時代」に変わろうとしています。加えてコンピューターの技術革新により、誰でも手軽に「自分の本」を作ることができる社会状況がいまあります。

  「自費出版ってな〜に?」という素朴な質問をよくされます。ちょっと考えてみましょう。

 いわゆる「商業出版」といわれるものがあります。これは発行元(版元)が制作の費用を負担し、自らの責任でリスクを負う出版の形態です。そのため、版元は、出版物を読者のニーズにそった内容にし、掛かった費用を回収するため著者とその内容について練り上げることになります。

 つまり、売れるための本づくりを版元はするわけです。ですから著者の思い通りの本づくりが、必ずしも可能なわけではありません。この場合、著者は書いた原稿に対して印税なり、原稿料なりの形でその対価を版元から受けます。

  一方「自費出版」とは、著者が自分で書いた原稿を、自分の資金(費用)で本につくり上げ、発行する出版の形態です。

  つまり、本の内容・造本についても最終的には自分で責任を負い、費用の面でもすべて自分の負担で本をつくる出版なのです。原稿も費用も自分持ちなのです。その意味では、著者の思い通りの本づくりが可能なわけです。

  もちろん、自費出版においても、機械的に著者の書いた原稿をそのまま印刷・製本するということではありません。原稿の内容や、見やすさ読みやすさというデザインの面でもプロの編集者の手が加わることによって、著者にとっても予想以上の本づくりができるのです。

  出版不況といわれて久しい現在、この商業出版と自費出版の境界が少しゆるやかになってきました。著者が製作費の一部を負担しながら商業出版をするということは今までにも多少見られたのですが、ここ数年の間に、「共同出版」「協力出版」という形での出版が激増しています。

  何だかよく分からないこのような出版形態は、自費出版の書き手である多くの人たちに戸惑いすら与えています。本の仕上がり・費用負担・本の流通など、誤解を生じない情報の開示が、本づくりの現場でさらに必要になってきました。

 ともあれ、安くない費用をかける本づくり、一生にそう何度もないと思われる自分の本をつくるのですから、じっくりと確かな編集者と相談することが大切です。

自費出版ってな〜に?
  ☆自費出版あれこれ
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