2006年2月6日
『レヴィンの系譜』に共感する小学生


 昨年5月に小社より発刊した『レヴィンの系譜』(@僕は君の月に… A僕が確かにそこに在たこと)のその後について書きたい。無謀運転の32tトラックの交通事故に巻き込まれ26歳の若さでこの世を去った高木昌宣さんが残したHP上の詩とエッセイ。何気ない日常のことばが紡ぎ出した独自の世界に、今また新しい生命が吹き込まれようとしている。

 『レヴィンの系譜』発刊ののち、ご両親の高木利昌さん、初江さん、そして妹の美紀子さんは、地元の千葉県東庄町の小・中学校に、昌宣さんの生命の結晶である2冊の本をプレゼントした。昌宣さんが生まれ育った、同じ風景の中に暮らしている地域のおおぜいの子供たちに読んでもらい、地域が生んだ「文化財」を育み、併せて交通事故撲滅のためのメッセージを伝えたいからであった。

 2006年1月21日の消印で小社に『レヴィンの系譜』著者・高木昌宣さん宛ての1通の手紙が届いた。差出人は同じ東庄町の一女性からであった。著者宛の私信を開封することははばかられ、ご家族のもとへ転送した。Eメールで美紀子さんにその旨書き込んだ。数日後、お母さんの初江さんから弾んだ声で電話がかかってきた。

 「東庄の小学生からのお手紙だったんです。しっかりと読んで頂いた上に、『こんなに美しい詩を残してくれた昌宣さんのごめい福を心よりお祈り申し上げます』という言葉に涙が出ました」

 返す言葉も見つからず、「本の中に昌宣さんが生きているんですね」と初江さんの涙に感染しそうになった。FASで送られてきた文面の一部を掲げさせて頂く。

 「高木昌宣さんの書かれた『レヴィンの系譜1・2』を読ませて頂きました。2冊とも、1ページ読むごとに涙を流さずには、いられませんでした。1つ1つ言葉が選ばれていて、きれいで、それでいて切ない。昌宣さんの人がらが良く表れていました。読み終えても、涙が止まらず、涙が枯れるまで泣き続ける勢いでした。……きっと、本を読んだすべての人が涙の分だけ感動に出会えたはずです」

 若々しい『レヴィンの系譜』の詩とメッセージに感動する若者が確実にいるということを知らせてくれた1通の手紙。1冊の本が果たした波紋と言葉を通した文化の伝承。いま東庄町では、「レヴィン追悼コンサートin東庄」を5月20日に開催するため、実行委員のメンバーは何回も打合せを重ね、その準備に追われている。発行元の夢工房も後援に名を連ねている。