2007年11月01日
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秋晴れの日の取材
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3週間ほど前の秋晴れの日の午後、A新聞社の記者とカメラマンが夢工房を訪れた。これまで市民活動に関わる取材が多かったが、今回は本業の出版についてである。
とは言いながら、地域出版社「夢工房」の柱の一つは、棚田の復元や里山再生などの市民活動関連の出版。小田急線秦野駅に出迎えて、そのまま車で10分ほどの秦野市名古木(ながぬき)に向かった。復元した棚田は約2.5反。すでに刈り取りを終え、例年より少し多めの約400kgの収穫があった。
のどかな農村風景が広がる。小川のせせらぎ、小鳥たちのさえずりが響く。周囲の雑木林の紅葉にはまだ早い。取材に訪れた記者は、高校時代の一時期、年間20回余りも丹沢登山に千葉から通ったことがあるという。丹沢山麓の隔絶された「桃源郷」に五感が解き放たれた風情であった。カメラマンは、雑木林の間伐材の手づくりのテーブルや、そばを流れる小川の数段の堰の手前でシャッターを押した。
雲ひとつない空を見上げながら、大地を耕して食べ物づくりをすることと、地域と人々のこころを耕しながら本づくりをすることに底通する想いを語った。
1時間余りののち、住宅街のなかにある夢工房にお連れした。カメラマンは、狭い部屋の中でひとしきりシャッターを押し続けた。日が丹沢の峰々に落ちるまで夢工房の本づくりの取材は続いた。
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